「入社したばかりだけど、もう辞めたい…」「上司に退職を伝える勇気がない…」そんな悩みを抱える新卒の方が急増しています。実際に、2025年度の新卒による退職代行利用者は1,072名にのぼり、昨年と比べて33%も増加している状況です[1]。
新卒で退職代行を使うことに対して「甘え」や「逃げ」といったネガティブなイメージを持つ方も多いでしょう。しかし、現代の労働環境や新卒を取り巻く状況を考えると、退職代行は有効な選択肢の一つとなっています。
この記事では、最新のデータを基に新卒が退職代行を使うメリットとデメリットを詳しく解説し、あなたが最適な判断を下せるよう支援します。退職代行サービスの選び方から利用の流れまで、新卒特有の悩みに寄り添った実践的な情報をお届けします。
新卒の退職代行利用の現状【データで見る実態】
急増する新卒の退職代行利用
退職代行サービス「モームリ」が公開した最新データによると、2025年度の新卒による退職代行利用者は1,072名に達し、前年度の805名から267名増加(33%増)という驚異的な伸びを示しています[1]。これは新卒全体に占める退職代行利用率が13.2%に達していることを意味します。
特に注目すべきは利用時期の変化です。2024年度はゴールデンウィークを含む5月が最多の298名でしたが、2025年度は入社直後の4月が487名と最も多くなっています[1]。これは新卒が「入社前の期待と現実のギャップ」をより早期に感じ、退職を決断するスピードが加速していることを示しています。
企業側も無視できない現実
マイナビキャリアリサーチLabの調査では、2024年上半期に退職代行サービスを利用して退職した人がいた企業は23.2%に達しています[2]。つまり、約4社に1社が退職代行による退職を経験しており、もはや企業側も無視できない現象となっています。
男女比と業種別の傾向
2025年度の新卒退職代行利用者の男女比は、男性44.9%、女性55.1%となっており、前年度と比較して男性の割合が約3%増加しています[1]。これは男性の新卒社員も退職代行を利用することへの抵抗感が薄れていることを示唆しています。
業種別では、卸売業・小売業、生活関連サービス業・娯楽業、医療関係が上位を占めており、人材不足や長時間労働が常態化している業界で退職代行の利用が多い傾向が見られます[1]。
なぜ新卒は退職代行を選ぶのか?【退職理由ランキング】
新卒の主な退職理由TOP8
複数の調査結果を総合すると、新卒の退職理由は以下のようなランキングとなっています:
1.人間関係がうまくいかない(約40%)
2.思っていた仕事と違った(仕事内容のミスマッチ)
3.給料や働く条件に不満
4.将来が見えない不安
5.会社の将来性への不安
6.長時間労働・休日への不満
7.求人内容と現実が違う
8.残業代・給与の未払い
特に注目すべきは、1位の「人間関係がうまくいかない」が約40%を占めていることです[3]。これは新卒にとって職場の人間関係がいかに重要で、かつ困難な問題であるかを示しています。
厚生労働省データが示す深刻な現実
厚生労働省が発表した「新規学卒就職者の離職状況」によると、2021年3月に卒業した新規大学卒就職者の3年以内離職率は34.9%に達しています[4]。これは前年度と比較して2.6ポイント上昇しており、過去15年で最も高い水準となっています。
さらに事業所規模別に見ると、従業員5人未満の企業では59.1%、5-29人の企業では52.7%と、中小企業ほど離職率が高い傾向が顕著に現れています[4]。
退職代行を選ぶ具体的な理由
マイナビの調査によると、退職代行を利用した理由として最も多いのは「退職を引き留められた(引き留められそうだった)から」が40.7%で最多となっています[2]。続いて「自分から退職を言い出せる環境でないから」が32.4%、「退職を伝えた後トラブルになりそうだから」が23.7%となっています。
これらのデータから分かるのは、新卒が退職代行を選ぶ理由は単純な「甘え」ではなく、職場環境や人間関係の問題、そして退職手続きにおける具体的な困難があることです。特に新卒の場合、社会経験が浅いため、上司との交渉や退職手続きに対する不安が大きく、専門的なサポートを求める傾向が強いのです。
新卒が退職代行を使う7つのメリット

メリット1:精神的負担を大幅に軽減
新卒にとって最も大きなメリットは、精神的負担の大幅な軽減です。社会経験の浅い新卒にとって、上司や人事部に直接退職の意思を伝えることは想像以上に困難で、大きなストレスとなります。
退職代行を利用することで、この直接対話を完全に回避できます。特に、パワハラやモラハラが疑われる職場環境では、退職の意思を伝えること自体が更なる嫌がらせの引き金となる可能性があります。退職代行サービスが代わりに連絡することで、こうしたリスクを完全に排除できるのです。
また、引き留めに遭うストレスからも解放されます。新卒の場合、「せっかく採用したのに」「もう少し頑張ってみないか」といった情に訴える引き留めに遭いやすく、断り切れずに退職を先延ばしにしてしまうケースが多々あります。退職代行を利用すれば、こうした引き留めを専門的に対処してもらえます。
メリット2:確実かつスムーズな退職
退職代行サービスは労働法に精通した専門家が対応するため、確実かつスムーズな退職が可能です。新卒の場合、退職に関する法的知識が不足しているため、「退職届を受け取ってもらえない」「退職日を一方的に決められる」といったトラブルに巻き込まれるリスクがあります。
民法第627条により、正社員は退職の意思表示から2週間後に雇用契約を終了できることが定められています。退職代行サービスはこうした法的根拠に基づいて適切に手続きを進めるため、企業側も無視することができません。
実際に、退職代行サービスを利用した場合の成功率は99%以上とされており、確実性の面でも大きなメリットがあります。新卒が一人で退職交渉を行う場合と比較して、圧倒的に高い成功率を誇っています。
メリット3:法的トラブルの回避
新卒の退職時によく発生するトラブルとして、未払い残業代の問題や有給休暇の消化拒否、退職金の不当な減額などがあります。これらの問題は法的な知識がないと適切に対処することが困難です。
弁護士が運営する退職代行サービスを利用すれば、こうした法的な問題についても適切に交渉してもらえます。特に、未払い残業代については、新卒でも月数万円から数十万円の未払いが発生しているケースが珍しくありません。
また、退職時に会社から損害賠償を請求されるという脅しを受けるケースもありますが、実際に新卒に対して損害賠償が認められることは極めて稀です。退職代行サービスはこうした不当な要求に対しても毅然と対応してくれます。
メリット4:24時間対応で即日退職も可能
多くの退職代行サービスは24時間対応を行っており、精神的に限界を迎えた状況でも即座に相談できます。新卒の場合、「明日会社に行くのが辛い」「今すぐにでも辞めたい」という切迫した状況に陥ることが多く、こうした緊急時の対応は非常に重要です。
即日退職については、有給休暇の残日数や会社の就業規則によって可能性が変わりますが、適切な手続きを踏めば実現可能です。退職代行サービスは個々の状況に応じて最適な退職スケジュールを提案してくれます。
深夜や早朝でも相談を受け付けているサービスが多いため、仕事のストレスで眠れない夜や、出勤前の不安な時間帯でも気軽に相談できるのは大きなメリットです。
メリット5:必要書類の確実な受け取り
退職時には離職票、源泉徴収票、年金手帳、健康保険証の返却など、多くの手続きが必要になります。新卒の場合、これらの手続きに不慣れで、必要な書類を受け取り損ねるリスクがあります。
退職代行サービスを利用すれば、これらの書類の受け取りについても代行してもらえます。郵送での受け取り手配も含めて、すべて適切に処理してくれるため、転職活動や失業保険の手続きに支障をきたすことがありません。
特に、離職票は失業保険の受給に必要不可欠な書類ですが、退職後に会社が発行を渋るケースがあります。退職代行サービスが介入することで、こうした書類の発行も確実に行われます。
メリット6:秘密厳守で安心
退職代行サービスは厳格な秘密保持契約に基づいて運営されており、利用者のプライバシーは完全に保護されます。新卒の場合、同期や先輩に退職の意思が知られることを恐れる人も多いですが、退職代行を利用すれば最後まで秘密を保持できます。
また、退職理由についても、利用者が希望する内容で会社に伝えてもらえます。「一身上の都合」といった当たり障りのない理由から、具体的な問題点まで、状況に応じて適切に対応してくれます。
家族に知られたくないという場合でも、連絡方法や時間帯を調整してもらえるため、プライバシーを完全に保護した状態で退職手続きを進められます。
メリット7:転職活動に集中できる
退職手続きのストレスから解放されることで、転職活動に集中できるのも大きなメリットです。新卒の場合、第二新卒として転職市場での価値は高く、適切な転職活動を行えば良い条件の企業に転職できる可能性があります。
退職代行を利用することで、退職交渉に費やす時間とエネルギーを転職活動に向けることができます。面接対策や企業研究、スキルアップのための学習など、より建設的な活動に時間を使えるのです。
また、精神的な負担が軽減されることで、面接でも前向きな姿勢を示すことができます。退職時のトラブルで疲弊していると、面接でもネガティブな印象を与えてしまう可能性がありますが、退職代行を利用することでそうしたリスクを回避できます。
新卒が知っておくべき3つのデメリット
デメリット1:費用負担(2-5万円程度)
退職代行サービスの利用には費用がかかります。一般的な相場は2万円から5万円程度で、弁護士が運営するサービスの場合はさらに高額になることがあります。新卒の場合、まだ十分な貯蓄がない状況で、この費用負担は決して軽いものではありません。
しかし、この費用を単純な「出費」として捉えるのではなく、「投資」として考えることが重要です。退職代行を利用することで得られる精神的な安定や、転職活動に集中できる時間の価値を考慮すれば、決して高い買い物ではないかもしれません。
また、未払い残業代の回収や有給休暇の買い取りなどが実現すれば、退職代行の費用を上回る金額を回収できる可能性もあります。特に、サービス残業が常態化している職場では、適切な請求により数十万円の未払い賃金を回収できるケースもあります。
費用を抑えたい場合は、労働組合が運営する退職代行サービスを選ぶという選択肢もあります。これらのサービスは比較的安価でありながら、会社との交渉も可能な場合が多いです。
デメリット2:自己成長の機会損失
退職代行を利用することで、困難な状況を自分の力で乗り越える経験を逃してしまう可能性があります。社会人として成長するためには、時には困難な対話や交渉を経験することも必要です。
特に、コミュニケーション能力や問題解決能力は、実際の困難な状況を通じて身につくものです。退職代行を利用することで、これらの能力を向上させる機会を失ってしまうかもしれません。
ただし、これは職場環境が健全である場合に限った話です。パワハラやモラハラが横行している職場で無理に耐え続けることは、成長どころか心身の健康を害するリスクがあります。自分の置かれている状況を客観的に判断し、本当に「成長の機会」なのか、それとも「不当な扱い」なのかを見極めることが重要です。
また、退職代行を利用したとしても、転職先で新たな挑戦をすることで成長の機会は十分に得られます。むしろ、不適切な環境から早期に脱出することで、より良い成長環境を見つけられる可能性もあります。
デメリット3:転職活動への潜在的影響
退職代行を利用したことが転職活動に影響を与える可能性があります。面接で退職理由を聞かれた際に、退職代行を利用したことを正直に話すべきかどうか悩む人も多いでしょう。
企業によっては、退職代行の利用を「責任感の欠如」や「コミュニケーション能力の不足」と捉える可能性があります。特に、伝統的な価値観を重視する企業では、ネガティブな印象を持たれるリスクがあります。
しかし、現代の労働環境や働き方の多様化を理解している企業であれば、退職代行の利用を合理的な判断として評価する場合もあります。重要なのは、退職代行を利用した理由を論理的に説明できることです。
面接では、退職代行を利用したこと自体よりも、前職での経験から何を学び、どのように成長したかを伝えることが重要です。また、「職場環境の問題を客観的に判断し、自分のキャリアにとって最適な選択をした」という前向きな表現で説明することで、むしろ判断力の高さをアピールすることも可能です。
実際に、第二新卒の転職市場では、短期間での転職は珍しいことではありません。重要なのは退職の方法ではなく、次の職場でどのような貢献ができるかです。退職代行を利用したことで精神的な負担から解放され、前向きに転職活動に取り組めるのであれば、それは結果的にプラスに働く可能性が高いのです。
新卒におすすめの退職代行サービスの選び方

新卒が退職代行サービスを選ぶ際は、以下のポイントを重視することが重要です。
料金体系の透明性
新卒にとって費用は重要な判断要素です。追加料金が発生しない明確な料金体系のサービスを選びましょう。一般的に、民間企業が運営するサービスは2-3万円、労働組合運営は2.5-3万円、弁護士運営は5-10万円程度が相場となっています。
対応範囲の確認
退職代行サービスには、単純に退職の意思を伝えるだけのものから、未払い残業代の請求や有給休暇の交渉まで行えるものまで様々です。新卒の場合、労働条件に関する交渉が必要になるケースも多いため、交渉可能なサービスを選ぶことをおすすめします。
実績と信頼性
設立年数や実際の利用者数、成功率などを確認しましょう。特に、新卒の利用実績が豊富なサービスであれば、新卒特有の悩みや問題に対する理解も深く、適切な対応が期待できます。
アフターサポートの充実度
退職後の転職活動支援や、必要書類の受け取りサポートなど、アフターサービスが充実しているかも重要なポイントです。新卒の場合、退職後の手続きに不慣れなため、こうしたサポートがあると安心です。
退職代行を使う前に検討すべきこと
退職代行は有効な選択肢ですが、利用前に以下の点を検討することをおすすめします。
社内相談窓口の活用
多くの企業には人事相談窓口やハラスメント相談窓口が設置されています。職場の問題が解決可能なものであれば、まずはこれらの窓口に相談してみることも一つの選択肢です。
ただし、相談しても改善されない場合や、相談すること自体がリスクとなる環境では、無理に社内解決を図る必要はありません。
人事部への直接相談
直属の上司との関係に問題がある場合でも、人事部であれば相談しやすい可能性があります。特に、パワハラやセクハラなどの問題がある場合は、人事部に相談することで適切な対応を受けられる場合があります。
転職先の目処
退職代行を利用する前に、転職活動の準備を進めておくことが重要です。完全に転職先が決まっている必要はありませんが、ある程度の方向性や準備を整えておくことで、退職後の不安を軽減できます。
退職代行利用の流れと注意点
基本的な利用手順
1.無料相談・見積もり:多くのサービスで無料相談を実施しています
2.契約・料金支払い:サービス内容と料金に納得したら契約を締結
3.必要情報の提供:会社情報、退職希望日、連絡先などを提供
4.退職代行の実行:サービス業者が会社に退職の連絡を行う
5.退職手続きの完了:必要書類の受け取りまでサポート
利用時の注意点
退職代行を利用する際は、以下の点に注意が必要です。
会社の備品は事前に返却:パソコンや携帯電話、社員証などの会社の備品は、可能な限り事前に返却しておきましょう。
重要な私物は持ち帰る:デスクの私物や重要な書類は、退職代行を利用する前に持ち帰っておくことが重要です。
引き継ぎ資料の準備:可能であれば、簡単な引き継ぎ資料を作成しておくと、後々のトラブルを避けられます。
よくある質問(FAQ)
Q: 新卒でも本当に退職代行を使って大丈夫?
A: はい、問題ありません。法的には入社時期に関係なく、すべての労働者に退職の自由が保障されています。実際に、2025年度は1,072名の新卒が退職代行を利用しており、決して珍しいことではありません。
Q: 退職代行を使ったら損害賠償を請求される?
A: 新卒に対して損害賠償が認められることは極めて稀です。会社が脅しとして使うことはありますが、実際に裁判で認められるケースはほとんどありません。
Q: 即日退職は可能?
A: 有給休暇の残日数や会社の就業規則によりますが、適切な手続きを踏めば可能です。退職代行サービスが個々の状況に応じて最適なスケジュールを提案してくれます。
Q: 退職代行を使ったことは転職先にバレる?
A: 退職代行サービスは秘密保持契約に基づいて運営されており、利用したことが外部に漏れることはありません。ただし、面接で退職理由を聞かれた際の対応は事前に準備しておくことをおすすめします。
まとめ

新卒の退職代行利用は、2025年度に33%増加し、もはや特別なことではなくなっています。人間関係の問題や仕事内容のミスマッチなど、新卒特有の悩みを抱える方にとって、退職代行は有効な解決手段の一つです。
退職代行利用の判断基準
以下のような状況にある場合は、退職代行の利用を積極的に検討することをおすすめします:
•上司や同僚との人間関係で深刻な問題を抱えている
•パワハラやモラハラを受けている
•退職の意思を伝えても引き留められ続けている
•精神的・身体的な健康に影響が出ている
•自分で退職の意思を伝える勇気が出ない
一方で、費用負担や自己成長の機会損失といったデメリットも存在します。これらを総合的に判断し、自分にとって最適な選択をすることが重要です。
次のステップ
もし退職代行の利用を検討している場合は、まず無料相談を活用してみることをおすすめします。多くのサービスで無料相談を実施しており、あなたの状況に応じた最適なアドバイスを受けることができます。
また、退職後の転職活動についても早めに準備を始めることが重要です。第二新卒としての市場価値は高く、適切な準備をすれば必ず良い転職先を見つけることができます。
あなたの人生はあなたが決めるものです。現在の状況に悩んでいるなら、一人で抱え込まずに専門家のサポートを受けることを検討してみてください。きっと新しい道が開けるはずです。
参考文献
[1] 退職代行モームリ「2025年度新卒1,072名分の最新退職データを公開」https://www.fnn.jp/articles/-/909295
[2] マイナビキャリアリサーチLab「退職代行サービスに関する調査レポート(2024年)」https://career-research.mynavi.jp/reserch/20241003_86953/
[3] 新入社員の退職理由調査「データで読み解く現代の離職事情」https://media.tokeru.link/n/nd3e95ad90e50
[4] 厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況(令和3年3月卒業者)を公表します」

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